ツウな視点で魅力ある音楽をセレクトしてくれるディスク・デシネのオーナー丸山さんが、ドライブを盛り上げてくれるBGMをご紹介。クルマ好きも、音楽好きも、センスを磨くなら要チェックです!
今回のBGMテーマ
ドライブミュージック
すっかり季節は春ですね。明るいニュースが少ない今日この頃ですが、そんな時こそゆったり気持ちを落ち着けて、近場のドライブスポット巡りなんて良いですね。と言う事で今回のお題は基本に立ち返って『ドライブミュージック』のオススメたち。冬の間、少し味気なかった見慣れた風景も、初夏へと向かう季節が生み出す新鮮さ、ステキな『ドライブミュージック』たちが彩りを添えてくれます。さぁお出かけしましょう。
切なく繰り返すピアノのフレーズ、奥ゆかしいチェロの響きも美しい冒頭の「The Ever-Changing Sky」から素晴らしいです。イタリア、アンコーナ出身のジャズピアニスト、ジョヴァンニ・チェカレリが自身の“ピアノトリオ”名義で吹き込んだ作品。ピアニストとしては既にベテランの粋にも達しつつある彼ですが、トリオ名義の作品はこれが初めての1枚。注目したいのは、愛妻に捧げたと言う愛らしいメロディの名曲「Vanessa」でしょう。名曲過ぎます。
日本が世界に誇るラウンジバンド、林 有三 & サロン '68の2ndアルバム。そのノリは前作同様ですが、更にクオリティアップした華麗なボサノヴァ、ジャズビートから硬派なサイケ曲、泣けるナンバーまで色とりどりに揃った傑作です。きらめくハープシコードがあまりにも心地良い疾走インストビート「01. いいわけ」、極上のスキャットボッサ「02. スクーターで行こう」など、ハッピーでスタイリッシュな楽曲のオンパレードで全編ヴァカンス感全開の名作です。ぜひとも休日のおともに。
数多くの名曲を生み出して来た作曲家、Roger Nicholsが自身の名義で1968年にリリースしたデビュー作。職業作家としてほどの商業的な成功は得られなかった彼ですが、全編が素晴らしいメロディ、ハーモニー、心地良いアレンジで彩られた魅惑のポップスだけがぎっしりと詰ったソフトロックの名作です。中でも「01. Don't take your time」、「06. Love so fine」など、どれだけ時間が経っても色褪せることの無い大名曲です。
ブラジルが生んだ偉大なSSWにしてボサノヴァ第二世代の旗手、Marcos Valleの1983年の傑作。前作『Vontade De Rever Voce』で本格的にソウルに挑んだ流れで吹き込まれた、ディスコ、ファンク、ブギーなどのサウンドをマルコス流に昇華した傑作です。跳ねるビートに乗せて踊らせる「A1. Estrelar」から素晴らしいですが、気持ち良すぎる横揺れメロウなスキャットグルーヴ「A5. Naturalmente」、ダンサブルな「B3. Dia D」、「A4. Para Os Filhos De Abraao」など全編アーバンな名盤です。
2007年のデビュー作は米国のみならず、ここ日本でも大ヒットを記録したLA在住のインディロックバンド、エヴリバディ・エルスがセルフ・プロデュース&3年越しで完成させた渾身の2ndアルバムが本作。パワフルなビートに乗せて疾走する極上パワーポップ「01. Out All Night」から最高ですが、極めつけはモータウン調のリズムに乗せ、グイグイ高揚していくキラーチューンの「07. Different」。もう、卑怯としか言いようのない大名曲です。

丸山雅生さん プロフィール
セレクト・CD/レコードショップ「disques dessinee(ディスク・デシネ)」オーナー。自主レーベル「production dessinee」も主宰し、ライブ・イベントなども企画。
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