ネッツトヨタ兵庫 FONTE
Features NOV 2006
Garden selection in HYOGO
庭で、のんびり。
人の心をさぐる療法のひとつに「箱庭療法」というものがあります。患者におもちゃの庭をつくってもらい、そこに映った心を読み解き、また、患者もその庭を見ることで治療に役立たせるのだそう。そんな話を聞くと、庭は、単なる家の付属品や、緑と石のコラージュだとは思えなくなります。 さて、初夏です。兵庫でいい庭を選んでみました。じっくり鳥の声に耳を澄まし、庭を造った人の心に寄り添って楽しんでみてはどうでしょう?
01 姫路城を借景にした江戸の庭。好古園

Type 日本庭園 History 江戸時代の姫路藩主の屋敷跡に平成4年開園 charm points 瀬戸内海をイメージした池にかかる太鼓橋は歩くと大らかな音がする。食事やお茶も園内で
世界遺産・姫路城を借景にした、広さ約10000坪の庭。武家屋敷跡らしく白壁の築地塀や屋敷門があり、江戸時代にタイムスリップしたよう。庭は9つあり、それぞれ趣が違うのもおもしろい。「今日はどのお庭で楽しもうかしら?」とお姫様気分で散歩しながら、池、樹木、茶室、花、と日本庭園の美の要素を、じっくりと観賞してみたい。茶室ではお抹茶とお菓子を、池を望む「活水軒」ではお食事も頂けるから、一日たっぷりと情緒に浸れます。
姫路市本町68
TEL 079・289・4120
9時〜17時
(入園は〜16時30分、4月末から8月末までは1時間延長)
一般300円、小中学生150円
02 英国貴族の庭にいる気分。宝塚ガーデンフィールズシーズンズ
英国人ガーデンデザイナーが手がけたイングリッシュガーデンは、貴族の館を思わせる瀟洒な眺め。生垣や石壁をめぐらせたガーデンルームなど、自然を生かし生態系を基本にしたナチュラルな庭に、春は球根花やバラ、初夏は睡蓮などの水生植物が咲き、四季の移り変わりを感じられる。本場英国では庭は見るだけではなく滞在して楽しむもの。庭の好きな場所で読書をしたり、カフェでテイクアウトしたサンドイッチやケーキを食べたりして時間を忘れて過ごしたい。
宝塚市栄町1・1・57
TEL 0797・85・6210
10時〜17時30
分(冬季は〜17時)
3月15日〜6月5日は無休、それ以外の水曜休業(祝日の場合は開園)
大人600円、こども300円
Type 英国式庭園 History 元宝塚ファミリーランド植物園の場所に英国人デザイナーが設計 charm points 農薬も使わないナチュラルガーデン。自然を生かした造園
03 広大な街中のオアシス。相楽園

Type 日本庭園・回遊式林泉園 History 明治18年に小寺泰次郎が作り、戦前には邸宅もあった charm points 園内の船屋形、旧ハッサム住宅、旧小寺家厩舎など歴史的な建物も見ごたえあり
元町にこんな広大なお庭があったなんて! 神戸市の都市公園の中で唯一の日本庭園が、この「相楽園」。立派な門をくぐるとソテツと芝が迎える入り口は、どことなくエキゾチック。大きな池を起伏のある小道でめぐるスタイルは伝統的な「池泉回遊式」庭園ながら、そこには洋風の厩舎があり、ポッカリ広がる芝の広場もある。この和洋折衷ぶりは、洋の良さを積極的に採り入れた明治時代の気風。北野から移築された異人館「旧ハッサム住宅」も美しい。
神戸市中央区中山手通5・3・1
TEL 078・351・5155
9時〜17時(入園〜16時30分)
木曜休園
(祝日の場合は開園、翌日休)入園料・大人300円、小中学生150円
04 古典と現代、アートも融合 伊丹市立美術館
Type モダン日本庭園 History 87年、重森三玲の息子・完途が設計 charm points 開放的な空間に、日本の伝統的な庭の要素をアレンジ
松に苔庭に枯山水、大きな青い蓬莱石…。古典的な手法を使いながらも開放的で明るい庭。手がけたのは近代を代表する作庭家・重森三玲の息子・完途。日本の庭をモダンに表現し、そこに現代彫刻がしっくりと融合する、まさに美術館にふさわしいアーティスティックな庭。地元の産業・酒造りに欠かせない「水」を白砂の流れで表し、茶庭の要素である飛び石を大胆にデザインの主役に…と、庭に込められた技巧を知性で読み解く愉しみがある。
伊丹市宮ノ前2・5・20
TEL 072・772・7447
10時〜18時(入館は〜17時30分)
月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休)・展示替え期間休館
一般200円、大学・高校生150円、小中学生100円