ネッツトヨタ兵庫 FONTE
Features NOV 2006
秋、お屋敷美術館へ
豊かな歴史がある関西には、美を愛した名士たちのお屋敷を開放した美術館があり、そこには、時間と思いに護られた作品が佇んでいます。街中からほんの少しのドライブで、静かなお庭のある美術館へ。こんなに近くにある寛ぎと美の空間、知ってました?

HYOGO 西宮市大谷記念美術館
西宮市大谷記念美術館西宮市大谷記念美術館
西宮市中浜町4-38
072-751-3865
10:00~17:00(入館~16:30)水曜休
HP
http://www9.ocn.ne.jp/~otanimus/
エントランスを入ってすぐに目の前に広がる、鮮やかな緑の屏風。日常から眼がリセットされ、名画の美しさを存分に味わえる気持ちになります。鑑賞者を出迎えてくれる手入れの行き届いたお庭は、事業家・大谷竹次郎の元邸宅だったこの美術館のおもてなし。72年の開館当時は靴を脱いで入館するユニークなものでした。閑静な住宅街に溶け込む佇まい、回遊できる広いお庭に2棟残る蔵。お屋敷の名残を感じさせるゆとりは、改築された今も随所に感じられます。フランスの風景画や阪神間の画家など、所蔵作品がさまざまな切り口で展示されていますが、その豊かなコレクションからは、美を愛した名士のまなざしを感じることが出来ます。庭を望むカフェでは、テラスに出て読書が気持ちいい。
OSAKA
閑静なお屋敷町に、立派な長屋門。その内には美しいお庭と瀟洒な洋館が佇んでいます。阪急電鉄創始者であり、宝塚歌劇の生みの親である小林一三の旧邸を美術館として開放しているのがここ。逸翁とは一三の雅号です。シャンデリアに彩られた部屋に日本の工芸品や茶道具が違和感なく並ぶ様子には、茶道にも洋の文化にも造詣が深かった逸翁の独創的なセンスが感じられます。茶室「即庵」は逸翁が自ら考案した茶室。伝統的な茶室としても椅子席としても使えるスタイルは見事な和洋の融合。一服いただけば、「文化を広く分かち合いたい、関西を文化的な街にしたい」という志を持っていた偉大な数寄者の気持ちが伝わってくるようです。
池田市建石町7-17
1072-751-3865
10:00~17:00(入館~16:30)
月曜休
HP
http://www.itsuo-museum.com/
逸翁美術館
アサヒビール大山崎山荘美術館
KYOTO
天王山のふもと山崎。緑の中に佇む英国調の山荘が現れます。大阪の実業家・加賀正太郎が、大正から昭和初期にかけて英国のチューダー様式をもとに自ら設計し建てたもの。バルコニーから見下ろせる淀川の雄大な流れは、ウィンザー城から眺めたテムズ川の記憶が重ね合わされているそうです。そのバルコニーは、今は喫茶室に。コレクションはアサヒビールの初代社長・山本爲三郎によって収集された「民藝」の作品。朗らかさすら感じさせる用の美に浸り、心安らぐひと時を過ごしたら、新館でモネの「睡蓮」を鑑賞。こちらは安藤忠雄設計の斬新な「地中の宝石箱」。さまざまな顔で美を見せてくれる、自然に包まれた美術館です。
京都市乙訓郡大山崎町銭原5-3
1075-957-3123(総合案内)
10:00~17:00(入館~16:30)
月曜休(展示替えの間は休)11月は無休
HP
http://www.asahibeer-oyamazaki.com/
アサヒビール大山崎山荘美術館アサヒビール大山崎山荘美術館アサヒビール大山崎山荘美術館アサヒビール大山崎山荘美術館
KYOTO
橋本関雪記念館があるのは、観光客のざわめきが絶えない銀閣寺のそば。門を一歩入ると、賑やかだった通りからうって変って、静寂なお庭が目の前に広がります。国の名勝に指定されているこのお庭は三つの池を配して、茶室をそなえた風流なもの。国東塔、藪の羅漢、と、古い石造美術品も潜んでいます。その庭をのぞんで建つのが大きな画室「存古楼」。大正から昭和にかけて京都画壇で活躍した日本画家・橋本関雪の作品は、まさにこの絵のような風流な環境から生み出されたもの。陳列室で作品やコレクションを拝見した後は、お座敷でお料理をいただくのもいい。お庭を見ながら頂く京料理。古きよき日本の美の世界へそっとエスケイプするひと時です。
京都市左京区浄土寺石橋町37
1075-751-0446
10:00~17:00(入館~16:30) 無休
入館料800円、学生500円(特別展は別料金)
HP
http://www.kansetsu.or.jp/
白沙村荘橋本関雪記念館
白沙村荘橋本関雪記念館白沙村荘橋本関雪記念館白沙村荘橋本関雪記念館白沙村荘橋本関雪記念館